映画の中の気になる言葉「バカじゃなくてガキね」by式波・アスカ・ラングレー

おはおうございます。火曜担当タートルネックが首元を適度に締め付け汗をかく、しもじです。

昨日は、12月3日。「ワンツースリー」のマジシャンの掛け声から、「奇跡の日」って言うらしいですよ。

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昨日は奇跡が起きましたか?
生きていることが奇跡!と感じた方は、とても幸せな方でしょう。

さて、前々から言っていましたように、先週末に映画館に行って「シン・エヴァンゲリヲン:Q」を観てきました。
Twiiterとかで観てきた人の感想で「久々の放置感がたまらない!」というものがあって、どんなんだろうかと思っていました。
が、個人的な感想をいえば、アニメ版よりよほど分かりやすい内容だったと思います。
これは、当時中学生の認識力といい大人である今の認識力の違い…というだけではないと思います。
そもそも自覚はありますが、当時からあまり認識力や見解にさほど(若干なりともあって欲しいという願望を込めて)成長がないので・・・・(遠い目)

どこまで書いてしまうと「ネタばれ」になるかがビミョーなのですが、思ったことをツラツラと。

まずね・・・。
一緒に行った友人曰く「今ではないもう一つの世界=パラレルワールドを扱ったアニメは2000年代を代表する表現方法」という、「if」の世界があったこと。
これが大きいのではないかと思います。
「もしかしたら、こんな展開もあったんじゃない?」という話の展開です。
アニメ版との大きな違いだと思います。
「破」の最後で、怒り心頭のシンジ君が暴走(覚醒って行ってたけど)した結果が、(その前からではあるけれど)アニメとは違い「サードインパクト」を引き起こして、世界はまたもや破壊され、多くの人類がなくなっていく。

その結果、どうやらなにやら「NERV」内で意見の相違があった模様で(この相違についても話の中でちゃんと描かれています)、内部分裂。
月日がたって14年後・・・・。
長き眠りから覚めたシンジ君を待っていたのは、全く持って理解が追いつかない世界でした。

というのが、今作の前半部分。

そして、後半部分のメインは、アニメ版でも絶大な人気を誇った「渚カオル」君とシンジ君の絡み。
いやぁ、あの2人のいちゃいちゃっぷりはすごいよ。
あえて皆言わない(というか、当然のこととして受け止められているのか?)けれど、すごかった。
どうすごいのかって、カオル君のセリフがとにかくキザったらしい。
美少年だしね、博識だしね、そんなんだからキザったらしくなっても仕方ないかもしれんのですがね。
そして、それに対してシンジ君が頬を赤らめる。
思春期の頃は同性に恋心いだくようなので、ある意味正常な対応かもしれません。
観ている方が、「もーいーよー」と思っちゃうレベルなので、ここも見所です。

見所といえば、今作はシンジ君のシンジ君たるゆえん=思春期真っ只中、がよく描かれていたと思います。
14歳のシンジ君。でも、周りは14年の月日が経っているので、アスカもマリもそれ相応の精神年齢になっています。
当然、他のメンバーも。
でも、シンジ君は全く何も変わらない。
一人自意識過剰な思春期ボーイです。

過剰な自意識と自己のアイデンティティ確立のために、とにかく必死です。

■サードインパクトの引き金が自分だった!
 これに対し、「いや、僕は綾波を救ったんだ」と頑なになる。
■記憶にもないお母さんが、初号機の核になっちゃってた!
 これに対しては明確には描かれていませんが、「お母さんが自分より仕事をとった」とナイーブになったのではないかと予想。
■でも、綾波を助けられていなかった。
 これがとどめ。

そして、自分の中に引きこもる。自分の常識やいいわけでどうにもならなくなったら引きこもるのはシンジ君のいつもの常套手段。

その傷ついた自尊心を癒してくれるのがカオル君なのですが、そんな心を許したカオル君の言葉も最後は聞けずに、またもやトラブル発生。
親友だと思っていたカオル君との別れ(これはアニメ版と一緒)。

完全に自分の中にこもり、(それでも内心は同情も愛情もあるだろう)アスカの声も響かず、「Q」終了。
作中の随所で「願い」と「罪」という言葉が出てきます。
この二つを「しかるべき出来事」ととして認められないシンジ君の姿こそが、思春期の姿だと感じました。

(またもや、一緒に行った友人曰く、この「願い」と「罪」を題材にしたものも昨今の流行なのだそう。もっといえば、人類が哲学上で考えてきたことは、この二つの相互性をいかにとるかといったことかもしれません)

というのがザックリな感じ。

いやぁ、面白かったね。
アニメ版やら劇場版やらなにやら、様々な情報がちょっとずつ意味を持ってきているのが分かるので、とても楽しかったです。

この「Q」の前には、「劇場版 巨神兵東京に現わる」が上映されましたが、こちらもいい具合で、エヴァンゲリヲンへの想像力を刺激してくれます。
ワタクシは知らなかったのですが、庵野監督はナウシカの巨神兵の表現で、その才能を広く知られていった方なのだそう。
そして巨神兵からエヴァンゲリヲンが生まれたとか何とか。
それでかどうなのか、巨神兵現わるの巨神兵は確かにエヴァンゲリヲンでした。
あれが腐ると、ナウシカみたいになるんですね。
そうそう、ナウシカ内で「世界を7日間で焼き払った」と説明される下りも、表現されていましたよ。
後半部分の「特撮です!感」がたまらなくいとおしかったです。
最近のCGを駆使して、いかにリアルに近づけるのかっていうのも観どこかもしれませんが、やはりこの特撮、特撮した感もいいです。
懐かしさと「やっぱり特撮はこうでなきゃ」という変なポリシー(?)が刺激されます。

・・・ネタバレになるかな?
結構、内容しゃべっちゃった気がしないでもないけれどね。
でも観たらもっと面白いので、ぜひぜひ劇場に足を運んでみてください。

これまで全く興味がなかった・・・という方がみると、本当に「意味わからん」ってなるようですが、ある程度知っている方なら十分楽しめる内容です。
もう、シンジ君の中二っぷりを観にいくもよし。
カオル君とシンジ君のわけわからんくらいのラブラブっぷりを観にいくもよし。
リツコさんの短髪を観にいくもよし。
個別項目でも楽しめると思います。


やっぱり、公式の予告が見つからなかったので、「youtube」で「エヴァンゲリヲン q」と検索してみてください。

公式サイトはこちら。http://www.evangelion.co.jp/









全くの余談ですが、先日家の近くを歩いていたら、パグを散歩させている人とすれ違いました。
2匹のパグをつれていたのですが、そのうちの一匹と目が合いました。

その顔が、ゴールデンボンバーの樽美酒研二の隈取にそっくりで思わずニヤリとしてしまいました。
えぇ、余談です。




今日のタイトルは、何週間目にも言葉を借りた、エヴァンゲリヲン:Q内でのアスカの言葉。

「バカじゃなくてガキね」

女の子は、男の子よりも早く心が成長するといいますが、それだけでなく「14年」という月日は否応なく、アスカをより成長させたと思います。

なんだかとても感慨深い言葉でした。